オムツが値上がりして家計を圧迫!一体なぜなのか?

ここ数年で様々なものがジャンルを問わず、値上がりしています。

例えば、物価の優等生とされる「もやし」でさえも、2022年10月と2023年10月における価格の全国平均では、10円ほど値上がりしています。

そして、赤ちゃんやママ、パパに欠かせない「オムツ」も例に漏れず、値上がりしています。

これは、有名メーカーでも例に漏れません。

それはなぜなのか、というところから今後の予想までをご紹介します。

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数字で見るオムツの値上がり

まずは、ここ3年間のおむつ10枚あたりの平均価格からご紹介します。

参考にしたのは、総務省統計局の小売物価統計調査です。おそらく、有名メーカーだけでなく、様々な商品からサンプリングしたものと思われます。

表を見ると、2022年の8月に300円を超えたのを最後に、300円台を維持しています。

その後も、ゆるやかな上下がありながらも、全体的には上昇傾向で、2023年10月には、320円に達しています。

この要因の1つに、原油価格の高騰があると考えられます。

実は、オムツの吸水剤である「高吸水性樹脂(SAP)」の原料は元を辿っていくと、石油にいきつきます。

また、オムツの種類にもよりますが、化学繊維を用いている場合では、こちらも原料が石油となります。

このように、オムツの値上がりには意外なことに原油価格の高騰が関係してきます。

今後の予想は?

まず、原油価格の面から考えていきましょう。

原油価格は、一般的な「需要と供給」、つまり欲しい人と売りたい人のバランスで決まるのはもちろんのこと、石油が出る土地を持つ「産油国」の供給状況の影響も受けます。

そして、産油国の集まりである「OPECプラス」は、石油を2024年末まで減産する方針であるとしました。

これにより、石油の供給される量(供給)は減る一方で、欲しい人の数(需要)の変化はあまり無いため、原油価格が高騰しているのではないかと考えられます。

ちなみに、原油価格が高騰しているのに、なぜOPECプラスは減産を決めたのかといいますと、世界的な情勢により、原油価格が下落しつづけるのではないかというOPECプラスが予想したことや、脱石油が叫ばれるようになり、需要がジワジワと減り始めていることが原因です。

現在の原油価格を作り出している減産は2024年末まで続くとされており、また定期的な会合により、更に減産される可能性がありますので、今後の予想としては、よほどのことが無い限りは2024年末まで、おむつの価格は下がらないと思われます。

それでもオムツの値段が下がるという希望は捨てたくない

原油価格の高騰を受けないオムツを作る方法は、現実的であるか、そうでないかは別として、あるにはあります。

それは、石油を原料とする素材を使うのをやめることです。

たとえば、紙オムツの大部分を占める不織布は、パルプや木材を原料とする再生繊維や植物繊維とすれば、原油価格の影響を受けなくなる可能性があります。

一方で、仮にこれらの繊維を採用したとしても、原料や繊維の運搬に石油が必要であるため、影響を受ける可能性もあります。

そのほか、高吸水性樹脂については、環境省が民間企業に委託し、植物由来の高吸水性樹脂の製造実証実験を行っています。

報告書に挙げられた今後の課題としては、保水性(水を吸ったままにしておく力)の向上が必要だということです。

このように、脱石油が進めば、オムツの価格は安くなる可能性があります。

ただし、メーカーさんが脱石油を決めてから、安定的に石油を使わないオムツを製造したり、販売したりするのには、時間がかかると考えられるため、価格が下がるまでにはかなりの時間が必要となるでしょう。

特に有名メーカーだとその傾向が強まるかもしれませんし、逆に有名メーカーだからこそ、
業界を引っ張っていくという意味で、率先して取り入れるかもしれません。

有名メーカーさんが取り入れることで、他のメーカーさんも市場での需要について判断を改め、業界全体で脱石油が広まっていくかもしれませんね。

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オムツの値上がりについて【まとめ】

オムツの価格は段々と上昇してきていること、それは原油価格の高騰が関係しているかもしれないことが分かりましたね。

しかし、有名メーカーを始めとする各オムツ製造メーカーも脱石油をすれば、価格が下がる可能性があるという希望もあります。

もしかすると、その頃にはこの記事をお読みになっている方のお子さんは、既にオムツが外れているかもしれませんが、脱石油が進めば、他の製品も値下がりする可能性があります。

結局のところ、OPECプラスが石油を増産したり、市場価格がなにかの事情で下落したりしない限りは、原油価格は下がらないため、脱石油が大切です。

脱石油を実現するには、企業努力や行政の施策も大切ですが、消費者であるみなさん一人ひとりが、積極的に石油を原料としていない製品を購入し、それらに需要があると企業やメーカーさんに判断してもらう必要があります。

企業やメーカーさんは慈善事業で製品を製造販売しているわけではないためです。

ただ、有名メーカーさんは、常に市場の動向を追っているため、判断が速いと思われます。

石油を使っていないオムツを買うだけで、将来脱石油が広まり、今オムツを履いている赤ちゃんが大人になるころには、環境に優しい社会になっているかもしれませんね。

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