世界には様々な料理があふれています。わが国日本が誇る和食、フレンチ、イタリアン、中華など、現代では日本にいながらにして、各国の料理が楽しめるようになりました。
皆さん好きなジャンルの料理があるかと思いますが、口に合うと感じるのは使われている食材はもちろん、「味付け」も大きな要因ではないでしょうか。それまでの食経験が関わってきますよね。
ということで、今回のテーマは「離乳食の味付けはいつから始めるか」です。答えは中期食後半~後期食です。
適切なタイミングで味付けを始めて、豊かな食経験をプレゼントしてあげましょう。
離乳食の味付けは中期食後半~後期食から始めよう
離乳食の味付けはいつから始めるかというテーマは、保育園でもよく相談を受けていました。塩分も気になるし、砂糖の甘さもあまり早いうちから覚えさせたくない…という保護者の方が多くいらっしゃいました。
そうは言ってもいつまでも味付けしないわけにもいかないですよね。
冒頭で、離乳食の味付けは中期食後半~後期食から始めましょうとお話ししましたが、後期食からでもよいと思います。初めはしょうゆやみそといった使用頻度の高い調味料から試してみましょう。市販のベビーフードを食べてみるのも味の濃さを確認するための参考になりますよ。
各食形態の目的を確認しよう!
ここで、離乳食の各食形態における目的を確認し、味付けについて考えてみましょう。目的が分かることで味付けを開始するタイミングや味付け自体が持つ意味が理解しやすくなると思います。
手づかみ食べなど食事の様子もみながら適した食事介助を行い、スプーンなどの食具を使って食事をすることにも挑戦していく。
このように、各食形態で目指していきたい姿があります。中期食まではとにかく食べられる食材の種類を増やすことを優先して、味付けはそれから!と考えてよいでしょう。
あまり早いうちから味付けを開始すると、味がついていないものは受け付けなくなってしまうこともあります。
保育園でも、中期食で茹でたコロコロ野菜だけを食べなくなった赤ちゃんがおり、家庭での様子を聞いてみると、すべてのメニューに味付けをしていて、特に初めての食材には手を付けないため調味料に頼っている、とのことでした。
野菜や初めての食材を食べたがらないことは珍しいことではありませんので、それでも「いつか食べるようになる」と根気よく味付けはせずに出し続けてみてくださいね。
薄味のポイントは「だし」
前項の各食形態の目的のお話の中に、「薄味」というキーワードが出てきました。ここでは薄味にするためのポイントについてお話しします。
薄味にするためのポイントはズバリ、「だし」です。和食には旨味という概念があり、その代表格ともいえるのがだしです。だしの旨味によって、たとえ薄味であってもおいしいと感じることができるのです。
昆布だしは初期食から、かつおだしは中期食から試し、後期食に入って味付けを開始してもだしの旨味を活かして薄味を心がけてくださいね。
昆布やかつおだけでなく、野菜からもだしは出ます。コトコトと野菜を煮て得る野菜スープも非常に有効です。初めのうちは調味料の味を感じられないのではと思うくらい、ほんの少しでよいのです。
完了期食に入り使用する調味料の種類や量が増えても、だしの旨味を大切にしてくださいね。
離乳食の味付けはいつから?【まとめ】
離乳食の味付けは、早くても中期食後半が開始のタイミングです。後期食からでも遅くありません。
赤ちゃんは調味料の味にはすぐに慣れますし、慣れれば慣れるほど味付けしてあるものの方がおいしいと感じるものです。中期食までの間はじっくりと食材の味を覚えることが大切ですよ。
各食形態で大切にしたい目的を確認し、味付けについても考えてみてください。使用頻度の高い調味料から始め、徐々にその種類を増やしていきましょう。だしの旨味をうまく活用して薄味を心がけてくださいね。
これを機に、大人の食事も見直して薄味に取り組んでみるのもよいと思います。